2023年8月に新型ランドクルーザー250と70が同時に発表され大きな話題となりました。
これによりランドクルーザーシリーズは3車種の発売となりますが、これら3種の違いはいったいどこにあるのでしょうか?またどのランクルを選べばいいのでしょうか?
今回はそんな3種類のランクルの違いと選び方を紹介していきたいと思います!
分岐したランドクルーザー
1951年にBJ型として開発され、ここから始まったランドクルーザーの系譜。モデルチェンジされランドクルーザー20から本格的に市販化され販売を伸ばしていきました。
その後発売されたランクル40は、1984年まで生産され、40系生産の中でも50系、60系と乗用車路線のランクルが併売されてきました。
そして40系は70系にバトンタッチされ、60系は80系にとってかわったあたりから3種類に分岐していきました。
まずは70系で販売されていた前後リジットアクスル・リーフスプリングのモデルは、ヘビーデューティー系と呼ばれ悪路での走行やハードユースなどに重きを置かれたモデルです。
このヘビー系は今後ずっと70シリーズで販売されており、幾度も改良を施しながら今回の発表で今後も販売され続けることになりました。
次はライトデューティー系と呼ばれるモデル。これも70系から始まりました。先ほどのヘビー系とは違い、コイルスプリングが採用され、ある程度の走破性を維持しながらも快適性が向上しています。
1990年からはなじみのある「プラド」のサブネームが与えられ、このシリーズが続いていくことになります。
最後はステーションワゴンと呼ばれるカテゴリー。50系から始まった乗用車化をもととするもので、特に80系では装備や仕様も豪華になったことでこの路線が確立されて行きました。
内装も贅沢になり、コイルスプリングがおごられたことで乗り心地も大きく向上しました。
このように3つのラインナップの歴史があり、新型ランドクルーザーが2車種発表されたことでそれぞれが伝統に当てはまるようになりました。
ということで、これから発売されるランクル250・70そして300はいったいどれに当てはまるのか、どんな人にお勧めなのかを紹介していきたいと思います。
ヘビーデューティー系
このヘビーデューティー系として販売されるのは今回発表されたランドクルーザー70が当てはまります。
こちらは継続販売モデルとして国内での販売が復活したという形で、70シリーズの特性を継承しながらも現代の装備を盛り込んだモデルとなっています。
伝統の耐久性に優れたラダーフレームは継続採用され、オフロードの走破性はそのまま。
またパワートレーンに関しては、2014年時のガソリンエンジンにとってかわって、より力強いパワーと低燃費を両立する2.8Lディーゼルエンジンに6速ATが組み合わさります。
この1GDエンジンは高出力と高トルクを兼ね備え、ディーゼルエンジンならではの持ち味でオフロードでタフな走行性能を実現してくれます。
このカテゴリーは3種類ののランクルの中で最もオフロードよりのモデルとなっています。言い換えればもっともオンロードに向かない車ですが、現代の技術で乗り味はより快適になっているでしょう。
よくキャンプや釣りに行く方だけでなく、本気でオフロード走行を楽しみたい方や、仕事でハードに使う方にもお勧めできるタフな相棒です。
ライトデューティー系
このカテゴリーには新型ランドクルーザー250が当てはまります。
もともと「プラド」のサブネームが与えられたランクルの担うカテゴリーでしたが、「プラド」は代を重ねるごとに高級・豪華な路線へシフトしていきました。
そんな中、今回は「プラド」という名を廃止し、伝統の番号が与えられ、コンセプトの一つである「質実剛健、原点回帰」への意気込みを見せてくれました。
ヘビー系とステーションワゴンの中間を担うことになるこのモデル。内外装ともに水平基調とし、オフロード感が演出されるとともに機能性も向上していながら、快適性も損なわれていません。
またGA-Fプラットフォームの採用で悪路での走破性も向上、このカテゴリーの目的である「人々の生活と実用を支える」を達成するランドクルーザーになっています。
オフロード性能を維持しつつもオンロードでの快適性も両立するこのランクル250は、週末にキャンプなどに行きたい方、普段使いでランクルに乗りたい方にもってこいです。
「トヨタセーフティーセンス」も全車に採用されているので誰でも親しめるランクルとなるでしょう。
ステーションワゴン
最後に、このカテゴリーにはランドクルーザー300が当てはまります。
高級でぜいたくな装備をおごり、その乗り心地はまさにSUVのトップをいく快適性。その一方オフローダーとしてのポテンシャルを秘めるカテゴリーです。
強靭なラダーフレームは継続採用した一方、アルミニウム制のパーツ導入で大幅に軽量化。ディーゼルエンジンが復活しより高出力かつ高トルクになりました。
また高度な電子制御により、オンオフ問わず走行性能が向上。安全性能においても多様な機能が搭載されています。
たしかにランクル300は、かなり手を出しづらい価格ではありますが、その分の価値はあるのです。ダカールラリーで優勝するオフロードのポテンシャルを持ちながらもその乗り心地はSUV界のセルシオ。
いかなる人の、いかなる使い方にもこたえてくれる、「トップオブSUV」の名に恥じない一台です。
どれがいい?
で、結局どれを買えばいいの?と思うかもしれませんが一概に言えないのがランクルです。なんせこの3カテゴリーで40年もやってきてるので、それぞれによさがあってそれぞれに顧客がいるのです。
性能の観点から選ぶとすれば、オフロード重視かオンロード重視か、その中間たという選び方のなるでしょう。
もちろん性能だけでなく見た目も重要です。ランクル70をワイルドにカスタムするもよし、ランクル300をエアロパーツをつけスタイリッシュにするもよし。
自分がランクルに乗ってやってみたいことをイメージすることで買うべきランクルが見えてくると思います。
発売まで間近、予約ももう少しで始まるでしょう。ランドクルーザー300のときはあまりの人気に5年待ちの後現在は受注停止の状態です。
ほしい方は早めに動いた方ががよさそうですね。
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